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岐阜地方裁判所 平成2年(わ)27号 判決 1990年5月21日

宣告の日

平成二年五月二一日

裁判所

岐阜地方裁判所

裁判官

松本久

検察官

西本仁久

罪名

所得税法違反

被告人

本籍

岐阜県土岐市泉町定林寺二七五番地

住居

名古屋市中区大須二丁目一八番一四号

職業

飲食店経営

酒井保男

昭和一一年五月二九日生

主文

被告人を懲役一年六月及び罰金三五〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から三年間、右懲役刑の執行を猶予する。

(罪となるべき事実の要旨)

被告人は、名古屋市中区大須二丁目一八番一四号ほか四か所に店舗を設け、「パーラームーミン」の屋号で喫茶レストランを経営しているものであるが、自己の所得税を免れようと企て、所得税の確定申告に際し、所得金額に関する収支計算をせず適宜の金額を計上するところのいわゆるつまみ申告を行う方法により所得の一部を秘匿した上、

第一 昭和六一年分の実際所得金額が七、六二〇万一、三八〇円で、これに対する所得税額が四、〇二六万八、二〇〇円であつたにもかかわらず、同六二年三月一二日、岐阜県多治見市音羽町一丁目三五番地所在の所轄多治見税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二、〇七五万一、〇〇〇円でこれに対する所得税額が六四二万二、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により同年分の正規の所得税額と右申告税額との差額三、三八四万六、二〇〇円を免れ

第二 昭和六二年分の実際所得金額が八、一四四万六、六〇四円で、これに対する所得税額が四、〇八〇万五〇〇円であつたにもかかわらず、同六三年三月一〇日、前記多治見税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二、三五一万八、〇〇〇円でこれに対する所得税額が七八六万六、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により同年分の正規の所得税額と右申告税額との差額三、二九三万四、五〇〇円を免れ

第三 昭和六三年分の実際所得金額が一億七六九万三、五三一円で、これに対する所得税額が五、四二六万五、六〇〇円であつたにもかかわらず、平成元年三月一五日、前記多治見税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二、八二九万八、〇〇〇円でこれに対する所得税額が九四六万五、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により同年分の正規の所得税額と右申告税額との差額四、四八〇万六〇〇円を免れ

たものである。

(適用した罰条)

所得税法二三八条一項(同法一二〇条一項三号)、同条二項、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項、一八条、二五条一項

(裁判官 松本久)

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